熊本県天草地方の言葉を紹介すっぞ(紹介しますよ)

天草の言葉(方言)やら、風やら海やらを語り合いましょう。皆様からも天草の言葉の情報をお待ちしてます。

天草の言葉 「かきくけこ」篇

天草弁索引

天草の言葉、「か行」です。

 

 

言葉 意味 用例 補足
がね カニ、もしくはカニに似ているいもの天ぷら わたんがね=渡り蟹(ワタリガニ 鉄腕DASH(2023/06/11放送)で取り上げられました。
きらず おから、卯の花 「お通しのきらず、うまか」(お通しのおから、美味しいね) 天草、深海だけではなく、多くの地域で使われている言葉のようです。漢字だと雪花菜と表記します。
がりがりべー 下痢、あるいは下痢のときの便 「きゅうはがりがりべーさい」(今日は下痢なんだよ) 発音的には「がりがりべー」や、ちょっとにごった「ぐゎりぐゎりべー」とも言う場合があります。
ごっつ ごちそう 「ごっつになった」(ごちそうになった) ごっつの変化形、「ごっつけて」を教えてもらいました。例として、 ごっつけてみゅうわい=ごちそうになってみよう  です。同級生から教えてもらいました。
きゃなえた とても疲れた 「きゅうは、きゃなえた」(今日はとても疲れた) 「だれた」のより強い状況でしょうか。「きゃーなえた」と伸ばす発音もあると思います。 想像ですが「萎えた」に、その度合いを強める「きゃ」がくっついて「きゃなえた」かな?
ごたる A.〜したい、 B.〜のようだ A.「サッカー、すーごたる」(サッカーしたい) B.「店ん人に頼んだら、わからっさんかったごたる」(店の人に頼んだら、わからなかったようだ) A.「しゅーがる」をご紹介してましたが、「ごたる」を独立してご紹介しました。 B.FacebookにてKさんから情報をいただきました。「ごたる」に「〜のようだ」という用法があることを思い出せてくださいました。ありがとうございます。
くらす、くらする なぐる 「ほがんこっばしよれば、くらっすっぞ」(そんなことしてたら、なぐるぞ) 話題のギラヴァンツ北九州の「ぶちくらせ」。その「くらせ」と同じ源流なんでしょうね。
がしこ、こがしこ これだけ 「がしこしきゃ、なかっきゃあ?」(これだけしかないのか?) こそあど言葉の一種。「こがしこ」以外に「あがしこ」「そがしこ」「どがしこ」がありますよ。
かてる 加える 「おりも15回にかてっくれい」(俺も15回に加えてちょうだい) 「かてる」は、加えるという言葉で表現される様々な場面に使いますが、左欄の用例についてより正確に説明しますと、「俺も、15回(という遊び)にまぜて、一緒に遊ぼう。」という意味の「加えて」です。「15 回」とは、石けりやかくれんぼと同じく子供の頃の遊びです。他の地方では聞いたことないのですが、深海出身以外の人で15回とい う遊びのことを知っている人がいたら教えてください。「揉つ」(かつ、と読みます)の変化らしいです。教えてくれた仁美ちゃん、ありがとう。
かて 糧(?) 「高菜でん、かてっ食え」(高菜でもおかずにして食べろ) 以前は上の「かてる」と一緒に記述してましたが、何となく違う感じがしたので分けました。「かてる」は加えるに近い感じがしますが、「かて」は糧に近い感じがしたもんですから。→これは間違いのようです。いとこの旦那さんに教えてもらいました。
からう 背負う 「こ ん子ばかるてくれい」(この子を背負ってくれ) この子の人生を背負う的な意味合いまではありません。
がらかぶ かさご、あらかぶ 「がらかぶん味噌汁はうまかねえ」 福岡とかでは「あらかぶ」と言うようです。天草の大矢野出身、僕の会社の先輩は「がらこじ」と言うと教えてくれました。
かんげ 髪の毛 「ほがんかんげば引っ張んな」(そんなに髪の毛を引っ張るな)
きびしょ 急須 「きびしょばとってくれい」(急須をとってくれ) 出雲・山梨にも同じ言葉があるらしいですね。NHKのAMラジオで山梨出身のおじいさんがこの言葉を使った、という投書を紹介してました(2003年11月15日、8:26頃)。
きびる 結ぶ 「ゆっときびらんば、じきとるっぞ」(よく結ばないと、すぐにとれる ぞ)
きゃくされ 腐れたもの 「女のきゃくされ」(女のくされたようなものだ。つまらないやつ。だらしない男に対する表現) 用例の文章はよく使われます。九州の言葉のせいか、男尊女卑の背景がうかがえます。
くさぶ べ ら(という魚) 牛深の方ではくさびというらしいです。
けったくる 蹴る。蹴りあげる、蹴っ飛ばすというようなニュアンスが含まれる。 「ほがんこっば言うと、けったくっぞ」(そんなことを言うならけっと ばすぞ)
こすい ずるい 「わりゃ、いっでんこすかねえ」(お前はいつでもずるいなあ) 私は中・高と卓球をやっていました。台の端っこやネットにあたってボールが不規則に変化するのを相手側に打ち返すことはほぼ不可能なんですが、その技(やろうと思ってできるわけではないですが)のことを「コスイギン首相」と呼んでました。
こびゃ ショウジョウバエ 「こびゃん、いっぴゃひゃってきた」(ショウジョウバエがたくさん入ってきた) ショウジョウバエに限らず、小さいハエ(小バエ?)のこと全体を指していたのかもしれません。
きしゃんか きたない 「わがじごんすはきしゃんかねえ」(おまえのけつの穴はきたないなあ) 2020年のM−1グランプリで、おいでやすこがが「きっしょい歌!」とツッコミを入れてました。関西のこの言葉は気色悪いというような意味だと思いますが、似てますね。
かずむ においを嗅ぐ 「わがかずんでみろ」(お前がにおいをかいでみろ)
こゆい 濃い 「ちっ とこゆかね」(ちょっと濃いね) 漫画家の蛭子能収さん(長崎県出身)がよく使います。
けー 来い 「まちっとこっちゃんけー」(もうちょっとこっちに来い) 全く人を食ったような言葉。
かちょんな フ ダンソウ。唐ぢさ。 「かちょんなの味噌汁が一番すきやばい」(かちょんなの味噌汁が一番好きだ) 「味噌汁の具は何が一番好き?」と聞かれたら、管理人は「かちょんな!」と私は答えます。
ごちゃ 「わ りゃごちゃんふとかねえ」(お前は体がでかいなあ) 「ふとい」(太い)は横方向だけではなく、背が高い場合にも使います。
きゃーしんめー 洋服が裏返しになっている状態 「わがパンツは、きゃーしんめーになっとるぞ」(お前のパンツは、裏返しになってるぞ) 本町では「きゃーしんめー」、鬼池では「けーしんめー」と言うらしい です。「うらがしんみゃ」と言う地域もあります。
「こまんか頃は、わりげよー行ったね」(小さい頃は、お前の家によく行ったね) これを方言と言っていいのかわからないけど・・・。多分「家」の音読みなのでしょうね。 【追記2019/01/22】 [げ]は[が家(いえ)]の省略かもしれません。[こちら](http://macdigi.hatenablog.com/entry/ga-bunkai)に書きました。
かぼんす 頭が大きい。頭でっかち 多分、仮分数(4/3とか、5/5のように分子が分母と同じか大きい分数のこと)から由来している言葉だと思います。
食わんもんごろし 残った食べ物を捨ててしまうのはよくない 方言というより、昔からの教えということですね。